私はカレッジを卒業してからトロントにあるパティスリーで丸2年ほど働いていました。そして現在は退職していますが、今でも子育ての合間に時間があればパンやお菓子作りをして、それが私にとってのストレス解消法になっています。
パティスリーで働いていた途中にも別のカナディアンのベーカリーで働いたり、そしてこのベーキングブログを始めたりと、ベーキングに携わってから本当にいろいろと経験することができました。
ところで私がカレッジ留学するにあたって、なぜ「Baking and Pastry Arts」というコースを専攻したのか、今更ながら振り返ってみたいと思います。
コース選びのポイントとしては、「自分の興味のあること、好きなこと」を選ぶのがいいと思います。
今後カナダのカレッジ進学を検討していてコース選びに悩んでいる人がいたら、ぜひこの記事を最後まで読んでみてくださいね。
目次
日本のキャリアを活かすか、好きなことを学ぶか
カナダでカレッジに進学しよう!と思ったのは、ワーキングホリデーでトロントに来てから半年も時間が経っていないころでした。
なぜそんなに早い段階でカレッジに進学をしようと決めたのかというと、まずひとつめには当時付き合っていた人 (今の夫) がカレッジに通っていたという影響が大きかったです。
そのころ夫はすでにカレッジに通っていて、学校の話を聞いていると課題とかテストとか毎日忙しそうで大変そうだなと思いましたが、海外での大学生活がとっても魅力的に思えました。
ふたつめに、私には昔から海外の大学に行ってみたい!という夢があり、日本での大学時代に英語圏への交換留学を考えたことがありました。しかし私が大学時代にもっとも打ち込んでいたのが体育会のクラブ活動で、週5日間夜までみっちり練習があり、週末は試合のために遠征することも多かったです。
体育会系の部活はすごく大変だったけれど、その分すごく充実していました。そのため、長期間休学することが必要な交換留学をすることを諦めたのです。
カナダのカレッジは専門的なコースが多いので、あらかじめ将来なりたいものや、やりたい仕事を決めておく必要があります。そこで、日本で銀行員として働いていたキャリアを活かしたコース (例えば Payroll や Accounting など) を選ぶか、自分の趣味や好きなことをあらためて学んでみるか悩みました。
カナダで就職するためには英語力はもちろんのこと、今までの経験や職歴がかなり重要なポイントになってきます。実際に、ワーホリで来た日本人の友達も日本での職歴が功を奏して、カナダでの学歴や職歴が一切ないにもかかわらず、カナディアンの会社にフルタイムで就労することができていました。
好きなことを仕事にしたいという想いを優先した
日本でのキャリアを活かしてカナダでもさらに学ぶのがベストな気がしますが、銀行などの事務系の仕事はまずはネイティブと対等に話せる英語力が問われると思いました。
ワーホリで来たばかりの私にそんな英語力があるはずもなく、正直 Payroll や Accounting などの勉強は興味がありましたが、結局選ぶことはしませんでした。
そしてもうひとつ、銀行を退職したときに思ったのが「次こそは自分の好きなことを仕事にしたい」ということでした。
銀行の仕事もサービス業としての接客や銀行の仕組み、投資など資本経済について学べることが多かったので面白かったですが、それが本当に好きな仕事なの?と考えてみると決してそうではありませんでした。
トロントにある各カレッジのプログラムに一通り目を通してみて、一番興味を惹かれたのが「Baking and Pastry Arts」というコースでした。
もともとお菓子やパンを作ることが好きで社会人時代は料理教室に通っていたことがありましたし、特にお菓子に関しては食べることが本当に大好きなので、なんとなく「お菓子作りを勉強してみたいな」と思ったのです。
「手に職」系は英語力に自信がない人でも大丈夫なコース
ベーキングや料理などの調理師系、デザインやプログラミングなどのIT系、メイクやエステなどの美容系、建設系などのいわゆる「手に職」系のコースは、英語力に自信がない人でも比較的選びやすいコースだと思います。
もちろんほとんどがネイティブの先生や学生なのでカレッジ入学レベルの英語力は必要になってきますが、もともとその分野での知識や技術を趣味程度でも持っている場合、授業の内容も入ってきやすいという利点があります。
特にベーキングや料理に関していえば、これらのスキルって実は英語力あんまり関係ないんですよね。英語のレシピが解読できて、さらに先生の説明さえ理解できれば実技のクラスはほとんど問題ないといっても過言ではないです。
ただし実技以外のクラス (例えば栄養やベーキング理論など)について は、専門用語も含めて英語力があるに越したことはないので、英語力アップするための努力は欠かさないほうがいいと思います。
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カナダは何歳からでもキャリアチェンジが可能
パティシエ(pâtissier / pâtissière)はフランス語なので、カナダではペイストリーシェフ (もしくはペイストリークック) と呼ばれますが、主に製菓に携わる職業を言い、主に製パンに携わる職業はベイカー (Baker) と呼ばれていることが多いです。
私がカレッジのコース選びをした時、実は卒業後の進路を真剣に考えていたわけではなく、本当になんとなく「大好きなお菓子を作ることを学んでみよう」と、半分習い事感覚で進学してしまったというのが本音です。
それでも学校で製菓・製パンを学んでいるうちに、「これを自分の仕事にしていきたいな」という気持ちがどんどん芽生えていきました。
カナダのカレッジは現地高校を卒業したばかりの人ばかりではなく、私のように海外から留学生として来る人、一度キャリアを中断してスキルアップのために来る人、またリタイア後にまた学生として戻ってくる高齢の人など、本当に国籍・年齢問わず色々な人たちがいます。
そういった人たちに囲まれて勉強してみると、何歳になってもいつでも自分の好きなことにチャレンジしていいんだ!という前向きな気持ちになれるので、個人的にはカレッジ進学はすごくおすすめです。
関連記事:カナダのカレッジ留学にかかった費用公開!どのくらいお金が必要なのか?
実際にパティシエとして働いてみて:大変だけど楽しい!
カレッジ在学中に運良くトロントでも有名なパティスリーに就職することができて、パティシエとしての第一歩を踏み出すことができました。
私の従姉妹が日本でパティシエとして大手ホテルのレストランで働いていたので、日本でパン屋やケーキ屋で働くことの大変さは知っていたつもりでしたが、やはりパティシエという仕事はものすごく体力勝負な仕事だと感じました。
海外で働くことは日本で働くより楽だし家族との時間も充実させられるとよく言われますが、海外でもパン屋やケーキ屋はクリスマスやバレンタインの繁忙期は特に忙しく、早朝から夜遅くまで連日14時間くらい立ちっぱなしで働いていましたし、忙し過ぎて休憩時間もたったの30分程度でした。
また別の友達が働いているパティスリーでは、前日夜まで働いてお店で仮眠をとり、翌早朝2時から仕事が始まる日もあるそうです。
そんな大変な日々がありながらも、大好きなお菓子作りに関われるのは楽しかったですし、自分が作ったスイーツがお店に並んで買った人の喜んだ顔を想像すると疲れも吹っ飛びました。お店が休みの日でさえ、時間さえあればお菓子作りに勤しんでましたね。
今後はまたペイストリーショップで働いてもっとスキルを磨いて、いつか自分がオーナーシェフになってお店を作りたいとも思いますし、カナダで学んだことを教えるようなお菓子教室も開いてみたいと考えています。
もともと「何かを作ること」が好きで、それが「大好きなお菓子」だったということが、続けられる原動力になっているのかもしれないですね。
まとめ:カレッジのコース選びは「好きなこと」を軸にしよう
私がカレッジでベーキングのコースを選んだ理由はただ単純に「それが好きなことだったから」でした。結果的にこの年齢になってもまた新しい夢が見つけることができたし、同じ志を持つ多国籍な仲間たち (元職場の同僚やクラスメート) も得ることができてとっても幸せです。
カナダでカレッジに行きたい人の中には、将来カナダに移民するために有利な職種のコースを選ぶ人もいると思います。
それが自分の好きなことや興味のあることならまったく問題ないですし、学んでみて初めて興味が出てくる可能性もありますが、やっぱりあまり好きじゃない、また興味がないことは結局は長く続かないんじゃないかなと思うんですよね。
カナダに移民すること自体を目標にしてしまうと、せっかく高い学費を払ってカレッジに行ったのにもったいない気がします。
カナダに移民するためにカレッジに行く人も、「移民できたあとに、カナダでどんなことをしていきたいのか」をしっかり考えて、それを踏まえてコース選びをするのがいいと思いますよ。
Ruby Park
onakasuita
突然のコメント失礼いたします。
いつもブログを楽しく拝見させていただいております。
パティシエの就労ビザについて、一点お聞きしたくコメントさせていただきます。
ruby park様は2年間パティスリーで働いていたとのことですが就労ビザで働いていたのでしょうか。
私は現在社会人なのですが、カレッジへの進学→海外で就労を考えています。
どのような職種に繋がることを学ぶのが良いのか、どのようなキャリアを海外で築きあげるのが
良いのかを模索していたところ、こちらのブログにたどり着きました。
私も美味しいものを食べることが好きで、海外でキャリアを築くのであれば自分が楽しい!と
感じることを仕事にしたいと考えております。
「海外で働く」ことを考えるうえでやはりビザが一番の問題となるのでは…と考えています。
パティスリー含む飲食業は就労ビザが出にくい(勝手な)イメージなのですが、参考までに上記
質問にお答え頂ければと思います。
突然の不躾な質問大変恐縮ですが、お時間ある際にご返答頂ければ幸いです。
rubypark
onakasuitaさん
コメントありがとうございます!
いつもブログを読んでいただけてうれしいです。
私がパティスリーで働いていた最初の1年はカレッジ卒業後のポスグラ、残りは就労ビザのある夫と結婚したので配偶者ワークビザで働いていました。
正直なところ、飲食業の職種や職場にもよるので一概には言えませんが、会社にサポートしてもらって就労ビザを取得するのは難しいと思います。
会社にサポートしてもらうにはその人(外国人)でないといけない理由が必要で、日本でパティシエとして数年間の就労経験(とそれに伴うスキル)があるならともかく、
私のようにパティシエ未経験でカレッジ進学→就労のケースですと、ポスグラが切れる前にそこまで登りつめるのは難易度が高いと思いますので…
また仮に会社がサポートをしてくれると言ってくれても、昨今のカナダでは就労ビザは誰でも取れるようなものではないようです。
こちらも容易ではないと思いますが、就労ビザを期待するよりもカレッジ卒業後のポスグラがあるうちに永住権を狙ったほうが可能性が高いかもしれません。
私も自分が好きなことを仕事にするという点に関しては賛成です!
ただでさえ言葉や文化が違う中で働くことは少なからず大変なので、自分が好きな仕事であれば続けるモチベーションを保てると思います。
日本でも同様だと思いますがカナダもパティシエの給料はけっして高いものではありませんが、それでも今後もお菓子作りに関わる仕事をしたいと思いますので^^
あとは海外でキャリアを積んだあと日本に帰って活かすのか、それともそのまま移住したいのかでも進路の選択は重要だと感じています。
onakasuitaさんの今後のキャリアが実りあるものになるようお祈りしています!
また何か質問等あればお気軽にお問い合わせくださいね^^