こんにちは、Ruby Parkです!
先日ついにカナダの永住権を取得しました。ってこれだけカナダにいてまだ永住権持ってなかったの?と思う人もいるかもしれませんね。
私たちは就労ビザを延長し続けて今までカナダに滞在していたのですが、子供も生まれて将来のことを考えた時に「子供たちのためにカナダに住みたいと思った時に、滞在ビザの心配なく暮らせるように」とカナダの永住権の取得に向けて動き出したのがきっかけです。
カナダの永住権を取得するまでとっても長い道のりがあったわけですが、それらを「カナダ永住権への道」ということでシェアしていきたいと思います。
今回は私たちが移民申請で利用したオンタリオ州のPNP (プロビンシャル・ノミニー・プログラム) である「OINP」についてまとめてみました。
カナダに移民したいけどどんな方法があるのか知りたいという人や、オンタリオ州のPNPについて知りたい人は、ぜひこの記事を最後まで読んでみてくださいね。
なお、永住権申請の条件や方法は頻繁に変更になることが多く、この記事に書いてあることは私たちが永住権を申請した当時のものになりますので、参考程度にしてもらって必ずご自分でその都度カナダ移民局 (IRCC)のサイトをチェックするようにしてください。
目次
カナダの永住権を申請する方法はたくさんある
ほとんどの人が利用するのがエクスプレス・エントリー
カナダに移民する方法は本当にたくさん方法があるので、詳しくはカナダ移民局 (IRCC) のサイトを確認してみてください。
しかし多くの人が利用する方法はカナダ連邦政府の「Express Entry (エクスプレス・エントリー)」に登録して申請する方法だと思います。
このエクスプレス・エントリーにも色々種類がありますが、ほとんどの人がカナダでの就労経験が必要な「CEC (カナディアン・エクスペリエンス・クラス)」、カナダ国外での就労経験でも申請できる「FSW (フェデラル・スキルド・ワーカー)」あたりで申請すると思います。
特に「CEC」はカナダ国内のフルタイムでの就労経験が1年以上あれば条件が満たせるので (NOCレベルB以上である必要がありますが)、カレッジに進学して専門スキルを学び、卒業した後3年間のPGWP (ポストグラデュエート就労ビザ) で働いている間に申請条件を満たすという人が多いです。
エクスプレス・エントリーを利用しなかった理由
私たちも最初はこのエクスプレス・エントリーで「CEC」を使って永住権の申請をしようと考えていましたが、大きな問題点が2つありエクスプレス・エントリーでは移民することが難しいと感じていました。
その問題点とは、
- 英語力のテストで高得点が出せず加点が足りなかった
- 年齢が高いため、エクスプレス・エントリーのCRSポイントが減点になってしまう
という2点でした。(ちなみにメインの申請者は私の夫でNOCレベルAの職種です)
エクスプレス・エントリーはプロファイルと呼ばれる自分の (結婚している場合は配偶者も) 年齢、学歴、職歴、英語力などを入力すると、CRSというポイントシステムで申請者のポイントが計算されます。
そのCRSを元に「ドローイング」と呼ばれる抽選で最低点以上のポイントを持っている場合、ITAと呼ばれる永住権申請が出来る招待状が届くので、そこで初めて永住権の申請が出来るようになります。
ただこのCRSですが、年齢は若いほどポイントが高く、20歳から29歳が満点でそれ以上は年齢が上がるごとに減点していきます。また学歴は高ければ高いほど、職歴は長ければ長いほどポイントが高く、英語力も高ければ高いほどポイントが上がります。
要するに「若くて、学歴が高くて、職歴が長くて、英語力が高い人」は永住権が取れる可能性が非常に高いです。29歳くらいで申請する人には上記の条件にすべて当てはまる人が最も多いかもしれませんね。
我が家の場合は「年齢での減点が大きい」のと「それをカバーするだけの職歴、英語力が足りない」のがネックで、とてもラッキーなことに加点となる「LMIA (会社が就労ビザサポートする際に申請してくれるもの)」があったにも関わらず、当時のドローイングの最低点にギリギリ届いていませんでした。
ちなみに配偶者の私の学歴や職歴、英語力も加点になりますが、学歴は日本の4大卒&カナダのカレッジ卒で多少プラスになったものの、職歴も英語力も大きな加点になるほどの高得点に届かなかったため、結局ほとんどプラスにならずエクスプレス・エントリーでの永住権申請は絶望的でした。
英語力の証明不要?!オンタリオ州のPNPとは
OINP (オンタリオ州のノミニープログラム) の種類
PNP (プロビンシャル・ノミニー・プログラム) と呼ばれる州政府の独自の移民プログラムがあり、比較的容易に移民ができると人気の「バンクーバーのあるBC州」「ウィニペグのあるマニトバ州」「ホワイトホースのあるユーコン準州」のPNPが人気なようです。
なお「比較的容易に移民できる」というのは申請条件が他州に比べて緩やかだったり職業レベルがエントリーレベルでも可能というだけで、そこで生活することや働くこと自体は厳しかったりするようなので事前によく調べてから行動するのをおすすめします。
PNPの永住権申請はまず州のノミネーション (推薦状) を取得してから、カナダ連邦政府に永住権の申請をするという手順になります。
オンタリオ州のPNP「OINP」には数種類のストリームがあり、ジョブオファーが必要なものと必要でないものに分かれます。
【ジョブオファーが必要なストリーム】
- Foreign worker – Employer Job Offer Stream
- International Student – Employer Job Offer Stream
- In-Demand Skills Stream
【ジョブオファーが不要なストリーム】
- International PhD Graduate Stream
- International Masters Graduate Stream
- Express Entry Human Capital Priorities Stream
- Express Entry French-Speaking Skilled Worker Stream
- Express Entry Skilled Trades Stream
ジョブオファーが不要のストリームは人気のようですが、人気ゆえにすぐに定員オーバーになり募集を締め切ってしまうものや、エクスプレス・エントリーの登録が必要なものもあるため英語力の証明は必須になります。
私たちはジョブオファーが必要な「Foreign worker – Employer Job Offer Stream」で永住権の申請を行いました。というわけで今回は「Foreign worker – Employer Job Offer Stream」と、それと似ている「International Student – Employer Job Offer Stream」についてもう少し詳しくご紹介します。
Employer Job Offer Stream の詳細
「Foreign worker – Employer Job Offer Stream」の申請条件は以下になります。
- NOCレベル0、AまたはBの職種でパーマネントかつフルタイムのジョブオファーがある
- 給料がその職種における州賃金の中間値以上である
- 申請時から遡って5年のうち2年以上、その職種での職務経験がある
- ライセンスが必要な職種の場合は、オンタリオ州のライセンスを持っている
「International Student – Employer Job Offer Stream」の申請条件は以下になります。
- NOCレベル0、AまたはBの職種でパーマネントかつフルタイムのジョブオファーがある
- 給料がその職種における州賃金のエントリーレベル以上である
- カナダの大学またカレッジで2年以上のフルタイムプログラムを修了して学士号またはディプロマを取得している、または学士号取得者を対象とする1年以上のプログラムを修了している
- 卒業要件を満たしてから2年以内に申請する
他にも細かい申請条件がありますが (変更の可能性もあり) 大体こんな感じです。上記の条件を見てもらうとわかりますが、英語力の条件がありません。要するにIELTSやCELPIPを受けてスコアを提出する必要がありません。
そしてエクスプレス・エントリーのようにポイント制ではないため、年齢による減点もありません。ということは「英語力が足りなくて年齢が高い」人でも、OINPのこれらのストリームでは永住権を取得できる可能性が十分にあると言えます。
がしかし、そんなに簡単ではないのがこのOINPのストリームなんです…その理由を次で説明したいと思います。
オンタリオ州のPNPは難しいと言われている理由
雇用主の条件がある
年齢や英語力の条件はないですが、ジョブオファーを受ける会社 (雇用主) の条件があります。
- 申請時以前にすでに3年以上営業している
- オンタリオ州内にビジネスの拠点があり、尚且つそこが就労場所となる
- オンタリオ州の労働及び衛生・安全に関する法律を遵守している
- グレータートロント (GTA) 内に所在する企業は年商が$1,000,000以上、及び就労場所において5人以上の市民権または永住権があるフルタイムの従業員を雇用している
- グレータートロント (GTA) 外に所在する企業は年商が$500,000以上、及び就労場所において3人以上の市民権または永住権があるフルタイム従業員を雇用している
要するに「比較的大きな会社」であればこれらの条件を満たせる可能性がありますが、個人で営業しているお店だったり、新規オープンのお店だったり、外国人就労者ばかりが働いている会社だったりすると厳しいかもしれません。
Foreign worker の場合、州賃金の中間値以上が必要
私たちが申請した「Foreign worker – Employer Job Offer Stream」は申請条件の中に「給料がその職種における州賃金の中間値以上である」という必要があります。
夫の職種は意外にも州賃金の中間値が高く、OINPを申請する時点では給料が中間値以下だったので、会社に交渉して給料アップしてもらいました。
実はLMIAでビザサポートしてもらう時も給料を上げてもらったりしたので、昇給の時期以外にも少しずつ上げてもらっていたのです。
給料の交渉ってなかなかしにくいことだと思うので、このあたりも申請条件としては難しいのではないかと思います。
International Student の場合、ジョブオファーを出してくれる会社を見つけなくてはいけない
「International Student – Employer Job Offer Stream」は賃金はエントリーレベルでいいものの、「卒業要件を満たしてから2年以内に申請」しなければならず、ということは出来るだけ早い段階でジョブオファーを出してくれる会社に就職しないといけないということになります。
前職などで経験が元々あった上で同じ職業の大学やカレッジを卒業してから就職する場合は、経験者ということでジョブオファーを出してくれる会社もあるかもしれませんが、全くの未経験で就職する場合は「本当にこの人材は使えるのか?」わからない状態でパーマネントのジョブオファーを出すことになるので、雇用主側も慎重になる可能性が高いです。
そういった意味では「Foreign worker」はある程度働いてからジョブオファーを依頼することができるので余裕がありますが、「International Student」は早い段階で結果を出さないとジョブオファーまで辿り着けない可能性があるので難しいと言えるかもしれませんね。
人気のプログラムのため定員オーバーになりやすい
すべてのPNPについて言えることですが、このプログラムには定員があり、申請の定員を超えるとプログラムが締め切られてしまいます。
「International PhD Graduate Stream」「International Masters Graduate Stream」などは大学院留学生に非常に人気のプログラムのようで、開始数分で締め切りということがよくあるようですよ。
しかも一度締め切られると、次にいつ再開するのかがわかりません。要するに運とタイミングも必要になってきます。
実際に私たちがOINPを申請した2〜3ヶ月後に申請の定員オーバーになり、突然締め切られてそこからしばらくの間ずっとプログラムがクローズしていたなんてことがありました。
あと数ヶ月申請するのが遅かったら危なかった…という経験をしたので、こればっかりは運とタイミングとしか言いようがない気がします。
同じ会社・職種で働いていることが条件のため、途中で辞めることができない
これもどの州のPNPでも同じことが言えると思いますが、基本的にジョブオファーが必要なストリームは会社のサポートが必要になるため、永住権を取得するまで会社を辞めることができません。
また永住権申請の時の職種を続けないといけないので、例えばレストランでシェフの職種で申請したのに、途中でサーバーになるといったことはできないということです (しないと思いますけどね)。
なのでPNPのジョブオファー申請時点から「永住権が取れたらこんな仕事すぐに辞めてしまいたい…!」と思うほどしんどい場合は、とにかく時間がかかる移民方法なので考え直した方がいいかもしれません。
こんな人にOINPはおすすめ
特に「Foreign worker – Employer Job Offer Stream」で申請することを検討してみてもいいかなと思う人は、
- 英語力がどうしても足りない人
- 年齢が高くエクスプレス・エントリーで減点になってしまう人
- 比較的大きな会社で2年以上働いている人
- 今の会社で永住権が取れるまで辞めずに働き続けられる人
- 永住権取得まで時間がかかってもいい人
上記のような人です。大前提としてオンタリオ州にいることが必要ですが、実は該当している人はけっこういるんじゃないかなと思います。
ちなみに「ポスグラ使って2年以上会社で働いてるけど、OINPで移民申請している途中でポスグラが切れて働けなくなってしまうのでは?」と思うかもしれませんが、ノミネーションを貰うと就労ビザの延長ができるのでそのあたりの心配はいりません。
まとめ:年齢や英語力で諦めなくても永住権は十分狙える
カナダの永住権=エクスプレス・エントリーというイメージがありますが、それが一般的なだけで実は他にも色々と移民申請方法はあるよ、という話でした。
私たちもエクスプレス・エントリーでの申請が絶望的で諦めかけていた頃、偶然インターネットで「OINP」について知り、「あれ?なんか条件に当てはまっていそうだな」と気づいたことが現在の永住権取得までに繋がっています。
ちなみに可能であれば、やはりエクスプレス・エントリーで永住権の申請をすることをおすすめします。なぜなら圧倒的に永住権取得までの期間が短いからです。早い人だと申請から3ヶ月〜半年くらいで永住権を取得できるようです。
それでも私たちのように「どうしても英語で高得点のスコアが取れない」「年齢が高くてポイントが不利になる」といった人でも、永住権を狙えるチャンスはあるということです。
カナダの永住権を取ってからが本当のスタートだと思いますが、ビザの心配をしなくても子供たちと一緒にカナダに滞在できるというのは精神的に楽になりました。
カナダが好きで永住したい、カナダでやりたいことがあってそれを実現するために永住権を取りたいという人は、ぜひ色々と調べてみて自分に合った永住権申請方法を探してみてくださいね。
なお、もっと詳しい永住権取得までの経過 (タイムライン) だったり費用だったり、私たちが依頼したコンサルタントについてなど、個人的な内容が含まれているため有料ではありますがnoteで記事を書いたので、興味がある人はぜひ購読してみてください。
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Ruby Park
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