こんにちは、Ruby Parkです!
このブログにこんな質問をいただきました。
パティシエや調理師の仕事はそこまで高くない給与で体力仕事でキツイと言われる方も多く、労働環境がとても気になるのですが、どんな様子であったか、仕事環境、職場環境がどのようなものであったかお聞きしたいです。
また、そもそも仕事を得ることができるのかといったことも大変不安で、調理師やパティシエの仕事は技術と経験が絶対で、言語がそこまで得意でなくても頑張れるかもしれないと思っていますが、外国人としてパティシエのエントリーレベルの仕事を得ることは困難なことも多かったでしょうか。
料理も好きで調理師の仕事も検討しており、どちらも学べるような学校があればと思っています。また、もし知っていれば調理師の労働環境なども教えていただければ嬉しいです。
これはかなり省略させていただいた内容ではありますが、要するに
- カナダでのパティシエや調理師の労働環境が知りたい
- 英語が得意でない外国人でもパティシエや調理師の仕事がスムーズに得られるのか知りたい
- パティシエと調理師どちらも選べるような学校のコースがあれば知りたい
といったことを知りたいという解釈をしましたので、今回は「カナダのパティスリーの1日」について、仕事の内容や流れについてご紹介したいと思います。
ひとくちにパティシエといっても、パティスリーなのかベーカリーなのか、レストランのデザート部門なのかホテルなのか、職場によって当然仕事内容や勤務時間、忙しさや職場環境などが違ってきます。
▼カナダでの仕事探しについてはこちらの記事にもまとめています▼
》関連記事:【カナダ留学】カレッジを卒業してからの仕事探しのコツは【経験とコネ】です
目次
カナダのパティスリーの1日 (通常期)
パティスリーの通常はイベントごとがない時期のことです。特に夏季はアイスクリームなどを取り扱っていない限り、かなりスローダウンします (甘いものが売れにくくなるため)。
ちなみに私が働いていたパティスリーは午前11時にオープンし、夜20時に閉店するカフェ併設タイプの店舗のため出勤時間がゆっくりなのですが、ベーカリーなどパンを取り扱っている場合は早朝2〜4時から仕事スタートということも珍しくありません。(もちろんその分早く仕事が終わりますが)
- 9:30〜10:00頃 出勤、着替えてから材料の下準備、仕込み、ケーキデコレーションなど
- 13:00 お昼休憩 (30分間)
- 13:30 マカロンやケーキ制作、タルト生地制作、在庫管理など
- 16:00〜18:00頃 掃除、片付けをしてから退勤
出勤時間や退勤時間は、時期だったりその日のボリュームによって毎日変わります。私が働いていたパティスリーは開店時間との兼ね合いもあり比較的日中に仕事をすることが多かったですが、ほとんどのパティスリーやベーカリーは早朝から仕事がスタートしているところが多いと思います。
カナダのパティスリーの1日 (繁忙期)
パティスリーの1番の繁忙期がクリスマスで、他にもハロウィン、バレンタイン、マカロンデー (というのが世界的なイベントとしてあります)、イースターなど、比較的冬季に集中しています。寒い時期の方がケーキとか甘いものをよく食べますしね。
- 8:00 出勤、着替えてから材料の下準備、仕込み、ケーキデコレーションなど (オーナーシェフは朝6時ごろから働いていたようです)
- 13:30 お昼休憩 (本当は30分間だけど、忙しい日は15分間だけ)
- 13:45 マカロン、ケーキ制作、タルト生地制作、翌日の下準備など
- 19:00頃 休憩 (15分間、オーナーが夕飯を買ってくれたりしました)
- 19:30 マカロン、ケーキ制作、タルト生地制作、翌日の下準備など
- 21:00〜22:00 掃除、片付けしてから退勤
というわけで、繁忙期は実働時間13時間30分…!しかもそのうち座っている時間はほぼありません。
これだけ働いても全然仕事が終わらないので、特にクリスマスシーズンは12月21〜22日頃から24日まで毎日こんな感じでした。
クリスマス当日は夕方18時頃には仕事が終わって、その翌日は仕事休みでしたね。(当然か)
なんでこんなに忙しいの?というとやはりケーキが売れるから、というのも、普段はホールケーキだと予約分+各ケーキ1個ずつを準備すればいいものを、予約分が圧倒的に増えるからです。
また予約しなくてもバンバン売れるので (予約しないで当日に買う人もいますよね) 、余分に作っておかないと機会損失になるわけです。
カナダのパティスリーの仕事内容 (マカロン屋の場合)
パティシエの仕事は日本でもやることはほとんど変わらないと思いますが、私が働いていたマカロンをメインに取り扱うパティスリーの場合、
- マカロンのクリーム作り、マカロンの組み立て
- ケーキ制作 (ムースケーキやタルトなど)
- タルト生地やケーキ生地の制作
- ケーキのデコレーション
- 卵割り、マカロン用のパウダー作りなどの仕込み
などを主にやっており、マカロンシェル (卵白クッキーの部分) は基本的にオーナーシェフが1人でひたすらやっていました。
当時オーブンは1台しかなく、マカロンは午後からずっと焼きに入るため、なるべく午前中のうちにタルト生地やケーキ生地などの焼くものは終わらせないといけませんでした。(それぞれ焼成温度が違うため)
なお現在は取り扱う種類もだいぶ増えたようで、クロワッサンやデニッシュなどのパンだったり、スポンジ系ケーキだったり、夏季はアイスクリームも取り扱っているみたいです。
カナダのパティスリーの労働環境 (マカロン屋の場合)
私が働いていたパティスリーは台湾人オーナーで、働き出した当初はお店もまだ小さく、キッチンで働いていたスタッフも韓国人と日本人 (私)、インドネシア人しかいませんでした。(全員移民っていう)
販売員として働いていたスタッフも日本人がほとんどで、少しカナディアンもいたかな?くらいです。要するにオーナーが勤勉な日本人が好きで、日本人を率先して雇っていたという話なんですが。
キッチンの話に戻すと、アジア人ばかりだったので労働環境は日本となんら変わらなかったかもしれません。ただ今日のボリュームが早く終われば早く帰れるし、仕事の要領を掴むまでは大変なことも多かったですが、慣れてしまえば自分である程度スケジュールを組んで仕事のスピードを調整できるので、繁忙期以外はそこまで大変ではなかったと記憶しています。
料理人にも興味がある場合:Culinary (料理) コースを選択しよう
読者さんのように「パティシエも憧れるけど料理人にも興味がある」といった場合、カレッジの専攻は「Culinary (料理)」コースを選んだ方が潰しが効くと思います。
なぜなら料理コースにもベーキングの授業があるからです。料理コースで学ぶ料理は多岐にわたるため、ベーキングの授業はほんの基礎部分しかやらないようですが、それでもやるのとやらないのでは知識が違うと思います。
正直、学校では現場で通用する技術を身につけることは2年かかっても無理だと思っています。それだけ実践とはかけ離れているからです。
ただ学校では料理やベーキングの基礎が学べるため、その知識を頭に入れておいて現場で「その現場のやり方を」習得していくといった感じです。
これがあるのとないのとでは吸収が違うと思っていて、例えば私が働いていたパティスリーでは「レシピの材料名と分量」しか書かれておらず、初めて作るレシピの手順は実際に一度だけやってもらって教えてもらいます。
目で見て覚える必要があるため (メモに書き留める時間もありません)、基礎的なベーキングの知識 (例えばスポンジ生地の作り方やメレンゲの泡立て方など) を知っておかないと一度では覚えられません。
もちろん学校で習ったことのないレシピもたくさんありましたが、お菓子作りの基本はあまり変わらないので、これを学ぶという点で学校に通ったことは有益だったと思います。
ちなみに調理師の労働環境ですが、パティシエ同様にレストランなのかホテルなのか、はたまたどこか (例えばデイケアや老人ケアホームなど) の施設なのかなどによって全然違うと思いますが、聞いた話によればパティシエよりも通年で忙しい場合が多いようです。
また特にレストランなどでは注文が入ったら作るというスピード勝負なので、ランチタイム、ディナータイムなど特定の時間はまるで戦場のように忙しいという話を聞いたことがあります。
逆を言えばそれ以外の時間は仕込みなどになるので、比較的緩やかな時間である可能性が高いです (あくまでも可能性です)。
パティシエはある程度その日にやるべきボリュームがあらかじめ決まっているので、特定の時間だけめちゃくちゃ忙しいということはあまりなく (当日の注文が入っても在庫がなければ受付しないため)、その日にやるべきことが全て終われば早く帰れるなんてことも多かったです。
》関連記事:カナダのカレッジ留学にかかった費用公開!どのくらいお金が必要なのか?【実際の金額がわかります】
仕事探しのコツ:コネクションが1番、とにかく応募することが2番
カナダでの仕事探しの1番のコツは「コネ」です。コネクション作りは本当に大事。
でもそのコネもただのコネではダメで、そのコネになっている人がちゃんとした人 (要するに職場で信頼されている人) の方が効果が高いです。
カナダの就職活動の際に「リファレンス=経歴照会」を求められることが多く、「この人はこんな仕事ぶりでしたよ、よくできる人ですよ」というのを前職場の上司などに書いてもらう必要があります。
コネの場合はコネになる人がリファレンス代わりになってくれるので、その人が「おすすめの人材がいるよ」と言ってくれれば就職がしやすくなるのもわかりますよね。
私の場合も実はコネで、私の仲の良い友人がすでにそのパティスリーで販売員として働いていたことがきっかけです。卒業前に「キッチン足りないみたいだから応募してみたら?オーナーに言っておくね!」と言ってくれ、話を通してくれたおかげでスムーズに就職できました。
その場合はとにかく応募するのみ!です。たしかに経験があった方が就職しやすいですが、未経験でも採用してくれるお店はたくさんあります。
未経験の場合はひたすら卵割りなどの雑用からスタートすることがほとんどだと思いますが、初めは誰でもそこからのスタートのはずです。そこから少しずつ仕事を教えてもらうので、まずは雑用でもいいから希望する職場に入ることが大切だと思います。
》関連記事:【カナダ留学】カレッジを卒業してからの仕事探しのコツは【経験とコネ】です
パティシエの仕事に言葉の壁はあるのか問題
ちなみに相当英語が理解できないとなると言葉の壁で採用されないこともあるかもしれませんが、私が感じたのは相手からの指示さえ理解できれば言葉はあまり問題ないということです。
ちなみにこの指示レベルですが、カナダのカレッジに通っていれば先生の指示通りに制作できるというくらいのレベルなので、正直そこまで難しくはありません。
ただ学校の授業と実際にパティスリーで働くことの違いは、「失敗が許されない」というプレッシャーだと思います。
学校はいくら失敗してもそれを捨てて新しいものを作る「練習をする」ことができますが、パティスリーは経費の中で材料のやりくりをしているので、失敗=経費の無駄になります。
とはいえ人間なので、特に慣れないうちは失敗をすることが多いと思います。私もたくさん失敗をしてオーナーシェフに毎日怒られていました。なので毎日家に帰ってから、家でも職場のレシピで作る練習をしていました。
この点も慣れればそのうちできるようになるので問題ないとは思います。でもお菓子作りはとても繊細な作業なので、慣れた後も常に「失敗は許されない」というプレッシャーはありました。
ちなみにパティスリーに関して言えば、時期で言うと9月あたりから求人が増えて採用されやすくなると思われます。
上記で述べたように冬季になるにつれてイベンドごとが増えて忙しくなるため、人手が足りなくなってくるためです。
ただ繁忙期に就職すると忙しすぎて教えてもらう時間がなく、ほとんど雑用しかできないということもあるため、できれば夏の間に仕事を始めて繁忙期にはある程度使える人材になるように慣れておいた方がベストだとは思います。
▼永住権を見据えた職業選びについてはこちらも参照してみてください▼
》関連記事:【カナダ永住権への道】移民しやすい職業は「手に職」と「実務経験」があることだと思う理由【OINP】
まとめ:パティシエは大変だけど楽しい仕事
長くなってしまいましたが、正直パティシエはカナダでも未経験から始めると給料も高くないし体力的にも大変な仕事です。
でもお菓子作りが好きなら絶対楽しいですし、新しいことを覚えるのもすごく刺激になります。
将来的に自分のお店を持ちたいという人は、ぜひレストランやホテル、個人やチェーンのパティスリーやベーカリーなどいろいろな職場を経験すると良いと思います。
職場ごとに作るメニューや仕事のやり方などが違うので、いろいろな経験をすることは絶対に糧になるはずです。
パティシエや料理人は時間が不規則なことも多いので、その辺りも働く職場によって若干変わってくるかな〜と。絶対に9〜17時の土日休みの仕事がいい!という場合はやめた方が無難です (笑)
私もパティシエ経験年数が少ないので偉そうなことは言えませんが、
- お菓子作りが好きな人
- コツコツ地味な作業が好きな人
- 体力に自信のある人
- お金を稼ぐことよりも好きなことを仕事にしたい人
- 将来自分のお店 (ビジネス) がしたい人
は、パティシエに向いているんじゃないかな〜と思います。あくまで個人的な意見ですが。
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Ruby Park
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